きゅうりを切ってみたら中が黄色かった場合、食べることはできないのでしょうか?
新鮮なきゅうりの見分け方や長持ちさせる保存方法について疑問を持つ方は多いでしょう。
日常生活で頻繁に使用されるきゅうりですが、その詳しい情報を知っている人は案外少ないかもしれません。
この記事では、きゅうりが黄色くなる原因と、その際の対処法、黄色くなったきゅうりを食べられるかどうかを詳しく解説します。
また、きゅうりが腐る兆候についても説明しますよ。
さらに、新鮮なきゅうりの選び方や、常温、冷蔵、冷凍での保存テクニックやコツも紹介していきます。
きゅうりの皮が黄色くなる理由
きゅうりの皮が黄色に変わるのは、果実が過熟しているためです。
スーパーなど市場に出回るきゅうりは未熟な状態で収穫されていますが、収穫せずに自然に成熟させると、きゅうりは黄色く変色します。
きゅうりといえば緑色を想像しますよね。
完熟した黄色いきゅうりは食用に適しており、実際、江戸時代にはこの状態のきゅうりがよく食べられていました。
ウリ科の植物であるきゅうりは、昔は「黄瓜」とも呼ばれていましたよ。
しかし、完熟すると苦味や酸味が強まることがあり、現代では黄色くなる前に収穫されるようになりました。
きゅうりの中や種が黄色くなる理由
きゅうりは保存状態によって水分を失い、しなびたり中が黄色く変色することがあるでしょう。
ここでは、きゅうりの中や種が黄色くなる原因と、そのようなきゅうりを食べても安全かどうかについて詳しく解説します。
傷んでいるため
市場に出回るきゅうりの中や種が黄色くなる主な理由の一つは、傷みが進んでいることです。
きゅうりは水分を多く含むため傷みやすく、約95%が水分であると言われています。
葉物野菜やもやしと同様に、時間が経つと黄色く変色することがあるので注意が必要です。
一般的に、きゅうりの賞味期限は収穫後4~10日程度とされています。
完熟しているため
収穫を待たずに完熟し過ぎたきゅうりは、外見だけでなく内部も黄色く変色しています。
完熟し過ぎたきゅうりは食べられますが、種の部分には苦味や酸味が強く出ることがあるでしょう。
そのため、通常は種を取り除いて調理します。
種を取り除くことで、未熟な緑色のきゅうりにはない甘みを感じることができ、サラダ、漬物、煮物、炒め物など、さまざまな料理で美味しく楽しめますよ。
新鮮なきゅうり選びのポイント4つ
新鮮なきゅうりを選ぶことは、その美味しさを長く保つために非常に重要です。
ここでは、新鮮なきゅうりを見分けるためのポイントを4つご紹介します。
①太さ
太さが上から下まで均一なきゅうりを選ぶことをおすすめします。
太さにむらがあると、太い部分に水分が集中してスが入りやすくなるため避けた方がよいです。
形がまっすぐであろうと曲がっていても味や食感に影響はありませんが、曲がっているものは価格が安いことが多く、コストパフォーマンスを重視するなら曲がったきゅうりを選ぶのもよいでしょう。
②見た目
ハリがあり、全体にツヤがあるきゅうりが新鮮です。
適切な大きさは19~25cm程度で、時間が経つときゅうりの両端からハリが失われるため、この点もチェックポイントです。
また、イボがある品種の場合、イボが尖っているほど新鮮であると言えます。
切り口がみずみずしいものは新鮮な証拠です。
③色
濃い緑色で均一な色のきゅうりが望ましいです。
時間が経つと色が薄くなり、黄緑色に変わっていきます。
品種によってはブルームと呼ばれる白い粉が付着していることがありますが、これは農薬ではなく、きゅうりが水分を保持するために自然に出すものなので安心して選びましょう。
④重さ
きゅうりは水分を多く含んでいるため、新鮮なものは重さが感じられます。
外見から想像するよりも重いものが新鮮で、水分が豊富である証拠です。
時間が経つにつれて水分が失われ軽くなるため、重みを感じるものを選ぶとよいでしょう。
腐ったきゅうりの見分け方
腐ったきゅうりは触感、見た目、そして臭いで判断しましょう。
以下の特徴があるきゅうりは腐っている可能性が高いと考えられます。
- ハリを失い、しなびている
- 触るとブヨブヨしている
- 白カビが生えている
- 白く濁った液体が漏れ出ている
- ヘタが茶色に変色している
- 切断面が黄色や茶色に変わっている
- 切ると糸を引く
- 酸っぱい臭いがする、または鼻をつくような異臭がする
- 表面にぬめりが感じられる
これらの状態にあるきゅうりは、食中毒の原因にもなり得るため、食べるのは避けるべきです。
変化が見られるきゅうりは、安全を考慮して廃棄するのが賢明でしょう。
きゅうりの効果的な保存テクニック
新鮮なきゅうりを購入しても、適切な保存テクニックを知らないとすぐに傷んでしまうことがあります。
さまざまな保存テクニックを学ぶことで、きゅうりを長持ちさせ、食品ロスを防ぐことができますよ。
丸ごと1本の冷蔵保存
きゅうりを丸ごと1本保存する場合、冷蔵庫の野菜室が最適で、保存期間は約7~10日です。
余分な水分を拭き取り、キッチンペーパーや新聞紙で1本ずつ包んだ後、ポリ袋に入れて立てて保存します。
ポリ袋の口はゆるく閉じることで、水分がこもりすぎず、きゅうりを長持ちさせることができるでしょう。
カットしたきゅうりの冷蔵保存
カットしたきゅうりは、冷蔵庫の低温設定部分で保存し、カットした状態で1~2日、塩もみした場合は5~7日保存可能です。
カット後のきゅうりは余分な水分を取り除いてから、空気が入らないようにラップで包み、密閉容器やジッパー付きの保存袋に入れて保存します。
塩もみしたきゅうりは、水分をしっかり絞ってから同様に保存しましょう。
カットしたきゅうりは傷みやすいので、早めに使い切ることが大切です。
常温保存
気温が低い季節で、10~13℃程度を保てる冷暗所があれば、常温での保存も可能で、保存期間は約2~5日です。
常温保存する際も、水分を拭き取り、キッチンペーパーや新聞紙で包んでポリ袋に入れ、口をゆるく閉じて立てて保存します。
温度変化が大きい場所では傷みやすいので、暖房を使用する室内などは避けることが望ましいです。
冷凍保存
きゅうりは冷凍保存も可能で、保存期間は約3週間から1ヶ月です。
方法としては、スライスしたきゅうりを塩もみして水分を絞った後、平たくしてラップに包み、冷凍用の保存袋に入れて冷凍します。
使用する際は、流水で解凍し、水分を絞ってから料理に使用しましょう。
また、1本丸ごとの冷凍保存の場合、余分な水分を拭き取り、隙間なくラップで包んでから冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
解凍はラップのまま流水で3分程度当て、半解凍の状態で水気をしっかり絞ってから調理しましょう。
解凍し過ぎると食感が損なわれるので注意が必要です。
たくさんのきゅうりがある場合には、新鮮なうちに冷凍保存しておくと便利ですね。
調理する際は、サラダや酢の物、和え物、冷や汁などに加工することで、解凍したきゅうりも美味しく活用できます。
きゅうりを美味しく長持ちさせる保存のコツ
きゅうりを美味しく保存するためのコツは以下の3点です。
- 適切な温度の管理
- 乾燥を防ぐ工夫
- 適度な水分の保持
きゅうりは夏の野菜であり、低温に弱い性質を持っています。
理想的な保存温度は約10~13℃とされている一方で、一般的な冷蔵庫の温度はこれよりも低く設定されており、低温障害が発生することがあるでしょう。
これにより、きゅうりが変色したり、食感が損なわれることがあります。
したがって、保存時は冷蔵庫の野菜室を利用することが一般的ですが、その温度が約3~8℃であるため、きゅうりをキッチンペーパーや新聞紙で包み、冷気が直接当たらないようにすることで低温から守ることが可能です。
乾燥を防ぐためには、さらにポリ袋に入れて口をゆるく閉じる方法が効果的です。
ただし、きゅうりは水分を多く含むため、過剰な水分はカビの発生や腐敗を早める原因になることから、水滴がついている場合はよく拭き取ってから保存することが大切になります。
また、自然な状態としてきゅうりを立てておくことで、より長い保存が期待できるでしょう。
まとめ
ここまでご紹介してきたように、きゅうりが黄色く変色する原因を理解することは、それが安全に食べられるかどうかを判断するのに役立ちます。
黄色くなる理由には、完熟している場合、劣化が進んでいる場合、または腐敗している場合がありましたね。
完熟して黄色くなったきゅうりは、適切な調理方法を用いれば美味しく食べることが可能です。
しかし、腐敗が原因で黄色くなったきゅうりは食べることができません。
きゅうりが若干黄色く変色しているのか、それとも腐敗しているのかを正確に判断し、食べられるかどうかを見極めることが重要です。
このように注意を払いながら、新鮮で美味しいきゅうりを存分に楽しむための工夫をしましょう。